賃貸物件の仲介手数料は交渉できる?断られない値引きの方法を解説

賃貸物件の仲介手数料は交渉できる?断られない値引きの方法を解説

賃貸物件の仲介手数料は交渉できる?断られない値引きの方法を解説

(はじめに)

賃貸物件を探すとき、意外と負担が大きいのが「仲介手数料」です。「これって交渉できるのかな?」と気になる人も多いのではないでしょうか?実は、不動産会社との交渉次第で仲介手数料を値引きできます。

そこで、今回は、賃貸物件の仲介手数料の交渉方法について解説します。不動産会社が初期費用を安くする裏ワザをご紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。

仲介手数料とは

仲介手数料とは、不動産会社が賃貸物件を紹介し契約までのサポートを行う報酬として受け取る費用です。貸主と借主から受け取ります。通常、家賃の1か月分(+消費税)が上限と法律上で定められており、契約内容や物件の条件により変動します。そのため、お部屋を契約する前に仲介手数料の金額を確認しておきましょう。

【賃料別】仲介手数料の相場

賃料(月額)仲介手数料(税込・上限)
70,000円77,000円
80,000円88,000円
90,000円99,000円
100,000円110,000円
150,000円165,000円
200,000円220,000円
250,000円275,000円

賃貸物件の仲介手数料の値引き交渉はできる?

仲介手数料は、賃貸契約時に不動産会社へ支払う報酬で、通常は家賃の1か月分+消費税が上限と法律で定められていると説明しました。しかし、実際には、物件の条件や時期によって、交渉で値引きが成立するケースも少なくありません。

とくに閑散期や空室が長引いている物件を保有している場合は、不動産会社側も集客を優先するため、仲介手数料の値下げの相談に応じてくれる可能性が高まります。また、会社によって仲介手数料の設定方法が異なるため、複数社を比較することをおすすめします。

交渉が成功すれば、初期費用を大きく抑えられるメリットがありますが、人気物件や繁忙期には断られることもあるため、タイミングや伝え方を覚えておきましょう。

賃貸物件の仲介手数料を値切るとき伝え方

仲介手数料を値切るには、伝え方がとても重要です。どんなに交渉の余地がある物件でも、伝え方を間違えると失敗につながることもあります。ここでは、対面・電話・メールで値切るときの伝え方をご紹介します。

対面

対面で仲介手数料の交渉をする場合は、内見や契約前のタイミングを選ぶことがポイントです。不動産会社の担当者に直接相談できる分、表情や空気感を読みながら丁寧に伝えやすいことがメリットです。

ただし、いきなり「安くしてください」というのではなく「初期費用が想定より高くて予算オーバーなので、ご相談できればと思いまして…」と、あくまで柔らかく借主側の事情や希望を伝えるのがコツです。家賃や敷金、礼金とのバランス、他社との比較状況も添えると説得力が増します。

強引な値下げ交渉は印象が悪くなる可能性があるため、あくまで丁寧に依頼する姿勢が大切にしましょう。

電話

電話で仲介手数料の交渉を行う際は、伝え方や話す順番が大切です。いきなり本題に入るのではなく「○○(物件名)に住みたいと思っており、初期費用について少しご相談したくてお電話しました」と相談ベースで切り出すと相手も構えずに要望を聞いてくれます。

続けて「予算の関係で、もし仲介手数料に調整の余地があればと思いまして…」と、丁寧で柔らかい言葉遣いで交渉してみましょう。

電話は相手の反応が見えないため、一方的にならないよう注意し、相手の返答に耳を傾ける姿勢も大切です。必要であれば来店での相談やメールでの確認をお願いすると交渉がスムーズに進みます。

メール

メールで交渉をする際は、丁寧な言葉遣いとメール文章が大切です。まずは検討している賃貸物件の名称や所在地を明記し、「初期費用についてご相談させて頂きたくご連絡いたしました」と添えましょう。そのうえで、「予算の都合上、可能であれば仲介手数料を調整いただける余地があるか、教えていただけますでしょうか?」と、やわらかい表現で意思を伝えます。

無理な値下げ交渉は避け「他社では〇〇円とのご提示をいただいており、比較検討中です」と補足すると説得力が増します。文末では「失礼がありましたらお詫び申し上げます」と配慮を示し、相手の立場にも配慮した文面を心がけましょう。

賃貸物件の仲介手数料の交渉を成功させる6つのコツ

仲介手数料の交渉はやみくもにお願いするだけでは成功しません。ここでは、仲介手数料を抑えたい方が知っておきたい交渉を成功させるコツをご紹介します。

1. 閑散期のタイミングを狙う

仲介手数料の交渉を成功させたいなら、閑散期のタイミングを狙いましょう。特に6月と11月は引越し需要の少ない期間で、不動産会社にとっても契約数を伸ばしたいときです。そのため、賃貸物件の初期費用や仲介手数料の値引き交渉に応じてもらえる可能性が高まります。

逆に1〜3月、9~10月の繁忙期は人気物件の競争率が高く、費用交渉が通りにくい傾向にあります。閑散期と繁忙期で交渉の通り安さは違うため、入居希望時期を柔軟に調整できる方は、あえて空室が残るタイミングを狙いましょう。物件探しと交渉は、時期の見極めが非常に重要です。

2. 相見積もり(他社比較)を取って交渉材料にする

仲介手数料の交渉を有利に進める方法として効果的なのが、相見積もり(他社比較)です。同じ賃貸物件でも、不動産会社によって仲介手数料の金額や条件が異なる場合があります。

事前に2〜3社へ問い合わせて初期費用の見積もりを取り、内容を比較しておくことで「他社では○○円でした」といった具体的な交渉材料になります。単に「安くしてください」と伝えるよりも、本当に部屋を借りる予定のある方だと思わせることで交渉の成功を上げられます。

また、手数料無料やキャンペーン中の会社もあるため、複数社への問い合わせは有効です。そのため、新生活にかかるお金を少しでも安く抑えたい方は、複数の不動産会社を比較するようにしましょう。

3.契約前に交渉を持ちかける

仲介手数料の交渉は、契約前に行うのが鉄則です。なぜなら、申込書に署名済みや契約手続きが進行中の場合、不動産会社側としては変更が難しくなる相談に乗れないためです。そのため、内見後や初期費用の見積もりを受け取った時点で「手数料の調整は可能でしょうか?」と交渉を持ちかけましょう。また、契約意欲を見せたうえで相談することで、双方が納得できる契約ができます。

4.不動産管理会社や貸主と直接交渉できる場合を探す

貸主(大家さん)が直接募集している物件や、管理会社が窓口となっている物件であれば、仲介会社を挟まないため費用を抑えられる可能性が高まります。

つまり「仲介手数料無料」と記載のある物件や、管理会社の自社サイトで募集している物件は要チェックです。物件の募集元(貸主や管理会社)にお問い合わせすれば、仲介手数料のほか礼金や敷金などの値下げ交渉もしやすいため、少しでも初期費用の支払いを抑えたい方は物件の募集元に注目して探してみましょう。

5.SNSや口コミで値切り交渉の実例を確認する

仲介手数料の交渉を成功させたいなら、まずはSNSや口コミサイトで実際の体験談を調べるのがおすすめです。X(旧Twitter)やInstagram、Googleマップの口コミなどでは、交渉に成功した人の投稿や、「この不動産会社は手数料が無料だった」「管理会社に直接交渉して費用が安くなった」といったリアルな情報を見つけることができます。

特定の物件や不動産会社名で検索すれば「ここの不動産会社は値引き交渉に応じてくれる」などのヒント得られます。不動産会社を探す際にも役立つのでおすすめです。

6.高圧的・強引な態度に注意する

仲介手数料を安くしたいからと高圧的な交渉をするのは逆効果です。不動産会社も契約のプロであり、借主の態度や交渉姿勢を見て対応を判断します。特に「○○円じゃないなら契約しません」といった強引な値下げ要求は、担当者の印象を悪くし、交渉がまとまらない原因になるため注意しましょう。

丁寧な言葉遣いと、あくまで「相談ベース」で交渉することが重要です。また、無理な交渉を繰り返すと、「この人とはトラブルになりそう」と判断され、別の条件を優先されてしまうリスクもあります。交渉の成功率を上げるためのポイントは、相手の立場にも配慮した柔らかな対応を心がけることです。

仲介手数料の交渉が不動産会社に断られる理由と注意点

仲介手数料は交渉できることもありますが、交渉が断られてしまうケースも少なくありません。ここでは、不動産会社に仲介手数料の交渉を断られる主な理由、注意点をご紹介します。

繁忙期

賃貸の繁忙期や大型連休明けの時期は、仲介手数料の交渉が断られやすいタイミングです。この時期は新生活や転勤による引越し需要が集中し、人気物件はすぐに申し込みが入るため、不動産会社側が値引きに応じる必要がない状況になります。

とくに都市部や駅近の物件では、他の希望者が条件をそのまま受け入れるケースも多いため、交渉自体を断られることもあります。そのため、1月〜3月、9~10月などの繁忙期や大型連休明けの時期は避けるようにしましょう。

他社で扱えない賃貸物件

他社で取り扱いできない賃貸物件は値下げ交渉してもらいにくいです。価格や手数料の条件が事前に設定されているため、交渉の余地がほとんどないのが実情です。さらに、他社との競合が存在しないため「他では安かった」といった比較交渉もできません。

貸主や管理会社の自社物件は交渉の余地がありますが、特定の不動産会社が専任で入居者募集している賃貸物件は交渉の余地がないため避けるようにしましょう。

不動産会社のルール

仲介手数料の交渉が断られる理由として多いのが、不動産会社の社内ルールや運用方針による制限です。特に全国展開している大手の不動産会社では、仲介手数料の金額が厳格に定められており個人の裁量での値引きができません。仲介手数料は不動産担当者の収入に直結するものです。賃貸事業だけで売上が成り立っている会社の場合、仲介手数料の値下げには応じないなどのルールが定められています。担当者が好意的でも「社内の規定で調整できない」と断られることがあります。

仲介手数料の交渉以外で初期費用を安く抑える方法

仲介手数料の交渉が難しいケースもありますが、交渉以外にも初期費用を抑える方法はたくさんあります。ここからは、初期費用を安く抑えたい人におすすめの方法をご紹介します。

仲介手数料の安い不動産会社を選ぶ

初期費用を抑えたい場合、交渉以外にも有効なのが仲介手数料が安い不動産会社を選ぶことです。
近年では、あらかじめ仲介手数料を半額または無料に設定している会社も増えてきています。特にインターネット上で完結する不動産サービスや、自社物件を管理している不動産会社は仲介手数料を抑えている傾向にあります。また地域密着型の中小企業や個人業者にも注目するのもおすすめです。

仲介手数料が無料の物件を選ぶ

仲介手数料を支払いたくない場合は「仲介手数料無料」の賃貸物件もおすすめです。仲介手数料無料の賃貸物件は不動産会社が貸主や管理会社から仲介手数料(報酬)を受け取る仕組みをとっており、借主側に費用が発生しないのが特徴です。

ただし、すべての物件が対象になるわけではないため、不動産ポータルサイトで情報検索の際に「仲介手数料無料」といった条件で絞り込み検索してみましょう。条件が良い物件ほど競争率も高くなるため、希望エリアに該当物件が出たら早めの問い合わせすることをおすすめします。

UR賃貸住宅を申し込む

初期費用を大幅に抑えたい方には、「UR賃貸住宅」の利用がおすすめです。
UR賃貸は都市再生機構が管理する公的な賃貸住宅で仲介手数料・礼金・更新料が一切不要という大きなメリットがあります。さらに、保証人も原則不要のため、契約時の手続きが簡単で費用負担も少ないのが特徴です。家賃は相場と同等または高めであることがデメリットですが、敷金2か月分以外の費用が大きく抑えられるため、トータルでは割安になるケースが多く見られます。

UR賃貸は申込条件が明確で、内見から契約までの流れもスムーズなので、転勤や家族構成の変化で引越しを検討している方におすすめです。

敷金・礼金なしの物件を選ぶ

初期費用を抑える代表的な方法が「敷金・礼金なし」の賃貸物件を選ぶことです。

敷金・礼金は合わせて家賃2か月分以上になることも多く、これらが無料になるだけで初期費用を抑えられます。近年では、空室対策や入居促進の一環として敷金・礼金を設定しない物件も増えており、希望エリアや条件を広げることで見つかりやすくなっています。 

ただし、敷金がない場合は退去時に原状回復費用が別途請求される可能性があるため、契約内容を事前にしっかり確認することが重要です。また「礼金なし」と記載されていても、他の名目で費用が上乗せされることもあるため、契約内容を確認しておくことをおすすめします。

フリーレント(家賃無料期間)を活用

フリーレント物件とは、契約後の一定期間、家賃が無料になる賃貸物件のことです。
主に1〜2か月分の家賃が免除されるケースが多く、初期費用を大きく抑える手段として注目されています。物件の空室期間が長引いている場合や、閑散期の入居促進策として設定されることが多く、借主にとって値引きと同じ効果があります。

自社管理物件を紹介してもらう

仲介手数料や初期費用を抑えたい場合は、不動産会社に「自社管理物件」を紹介してもらうのも有効な手段です。
自社管理物件とは、その不動産会社自身がオーナーや貸主から直接管理を委託されている物件のことをいいます。仲介業務と管理業務を担っているため、仲介手数料が無料または割引になるケースが多く見られます。 また、契約条件や家賃の交渉についても柔軟に対応してもらえる可能性が高いのがメリットです。物件検索サイトで検索できないため、店舗に直接相談したり、問い合わせ時に「自社管理物件を希望したいのですがありますか?」と伝えたりすると良いでしょう。

よくある質問(FAQ)

仲介手数料を少しでも安くしたいと思ったとき、「交渉しても大丈夫?」「失礼にならない?」と不安になる方も多いのではないでしょうか。ここでは、よくある質問(FAQ)をご紹介します。

Q.本当に仲介手数料の値引き交渉をしても失礼にならない?

仲介手数料の交渉は失礼と思われがちですが、そんなことはありません。
賃貸契約にかかる初期費用は大きいため、条件について相談するのは借主として当然の行動です。
ただし、交渉の仕方やタイミングによって印象は大きく変わります。

たとえば、「安くしてほしい」と一方的に要求するのではなく「予算の都合上、費用についてご相談させていただけますか?」といった丁寧な伝え方を意識することが大切です。 

不動産会社側も柔軟に対応してくれる場合が多く、誠意をもって相談すれば悪い印象を与えることはほとんどありません。むしろ、費用を確認・比較することはトラブル防止にもつながる重要なステップです。そのため、初期費用を抑えたい方は相談してみましょう。

Q.不動産屋と知り合いなら値切ることができるって本当?

不動産会社に知人がいる場合、仲介手数料の値引き交渉がしやすくなるケースは確かにあります。
会社の規定に反しない範囲であれば、担当者の裁量で割引に応じてくれることもあり、一般的な相談より交渉の余地が広がるのは事実です。 ただし、知り合いだからといって必ず手数料が安くなるわけではありません。

会社のルールや物件の条件次第では対応できないこともあります。また、あまり強く値切ろうとすると関係にヒビが入るリスクもあるため、あくまで相談ベース話すようにしましょう。

まとめ|仲介手数料を交渉して半額・無料にしよう

仲介手数料の交渉は、やり方・時期・物件の条件次第で成功する可能性があります。特に空室が続く物件や不動産会社の閑散期は、交渉に応じてもらいやすいタイミングです。仲介手数料が半額、無料になれば、新生活にお金をかけられるようになるため交渉してみましょう。

この記事では、賃貸物件の初期費用を安く抑える裏技までご紹介しました。初期費用を少しでも安く抑えたい方は裏ワザを活用して納得のいく物件を探してみてください。

賃貸テックであれば仲介手数料が無料、さらに退去後に退去費用が最大48%戻ってくる物件のご案内が可能です。賃貸物件の費用を少しでもお得に押さえたい方は、「賃貸テック」までご相談ください。